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2020/06/17

あけぼのインタビューvol.1

一菁陶園(いっせいとうえん) 代表 八木孝幸(やぎたかゆき)さん(後編)

「日本のものづくり応援メディア あけぼの」初のインタビューです。お話をしてくれるのは、常滑焼の窯元の3代目である八木孝幸さん。陶芸への思いや、海外でのお仕事などについて伺いました。

―海外でもお仕事をされていると伺いました

台湾には、はじめ同業者の陶芸家の方の作品展に通訳として同行しました。そして翌年から自分でも作品を持って行き作品展を行っています。

去年はスイスにも行き、そちらでは陶芸のデモンストレーションと、シンポジウムで英語でスピーチを行ってきました。

本当でしたら今年もスイスには行き、デモンストレーションだけでなく来年からの作品展の場所を探す予定でしたが、今年は状況的に難しくなってしまいましたね。またぜひ行きたいと思っています。

―三代目として、つないでいきたい伝統は?

「常滑焼の気質」を受け継いでいきたいと思います。常滑の職人さんの性格として、常滑焼は儲け主義ではありません。儲け主義だと発想力が狭まっていきます。儲からないけど試しに作ってみるという姿勢が創作には大切なのかなと。

ほかの産地の方からは「ほんわかしてるね」と言われますが、常滑焼に悪い人はいないですね。

―今後どんな未来を描いていますか?

来年でなくても再来年、5年後10年後であっても、国際的に展開していきたい、という気持ちがあります。

―どんな人が作り手に向いていると思いますか?

ほとんどの人が向いていると思いますよ。例えばロクロで作品作りができなくても人形を作ることができたり、デザイナーとして活動ができたりいろんな選択肢があります。片手がなくてもスケッチをもとにデザインを発注すれば立派な陶芸家です。

結果論としては続けている人は全員向いている人ですし、やめたひとだってまたやりたくなって始めれば向いている人だと思います。

―これから作り手を目指す人へメッセージをお願いします。

最初にやってみたときにどう思うかが大切だと思います。それがのちに続いていくかに大きいかもしれませんね。

いいものが作りたいという気持ちが技術を上達させ、知識も身についてそれが特性になっていく。

「こうじゃなきゃだめ」という誰かの尺度からみた良い悪いという視点から角度を変えて見れば、道はあります。がんばってください。

八木孝幸

一菁陶園の三代目。幼少時から土に親しみ、大学卒業後にスペインに留学し陶芸を学ぶ。常滑の焼き物散歩道にギャラリーを構えながら、語学力を活かし台湾やスイスなどでも作品展やデモンストレーションを行っている。

一菁陶園(いっせいとうえん) 代表 八木孝幸(やぎたかゆき)さん(前編)
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